地に足をつける
彼はふらふらしていた。足取りではなく心持ちがだ。
毎日、朝起きてご飯を食べて、仕事へ行き、夜には家に帰ってきて寝る。一見、立派に社会生活を送っているように見える。
ところが彼の心の中は、「どうとでもなれ」と投げやりになっている。まるで自分の居場所は「ここではない」とでも言いたげだ。彼も自分で自分は根無し草のように風に吹かれてどこか遠くへ行ってしまいそうだと気がついている。
僕は彼を見て危なげな奴だと思う。僕は、自分の居場所は「ここではない」と思う彼に僕なりの答えを示したい。
僕らが生きているこの時間からは目を逸らすな。君が居場所は「ここではない」と思いながら生きていること、これこそが生きるということだ。君が遠くへ行くのもよいし自分の居場所を探しに行くのもよい。だけど生きることは結果ではなくて、過程なんだ。地に足をしっかりつけて歩け。
道のりを楽しめ。