~落書き帳~

かずです。どうぞよろしくお願いします。

ひとり酒

 土曜の夜18時仕事終わりに僕はひとり、居酒屋の暖簾をくぐる。週末ということもあって店内はとても賑わっている。この店は日本酒をメインとする居酒屋だが、雰囲気はバルのようにとてもお洒落だ。そのせいか日本酒メインの居酒屋にしては女性同士のグループ客や、20代前半くらいの若いカップルも珍しくない。

 僕は仕事で疲れたときにこの店を使うが、土曜に来たのは初めてだ。店内には、女性のグループ客の喧しい笑い声、中年サラリーマン2人組の仕事論議、ぎこちない若いカップルのこれからの希望に溢れた声、まるで世界中の土曜の楽しみがこの店に凝縮しているようだ。僕は1人、ハイボールとポテトサラダを注文する。1人分にしては多いポテトサラダをハイボール片手にもりもり食べていると寂しさが押し寄せてくる。普段なら店主と「最近元気?」くらいの会話をするが、寂しさを酒で飲みこんでいた僕は、話しかけることができなかった。

 寂しさに耐えかねて僕の孤独から逃げるように店を後にした。